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授業日誌

日本経済史1クラス2の授業を終えるにあたって

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日本経済史1クラス2の授業を終えるにあたって

2020年5月28日をもって、日本経済史1クラス2のウェブ配信授業を終えます。次回からはクラス替えです。最後の挨拶として、授業周辺のことを述べます。

ミシンに興味をもったきっかけ

授業を終えるにあたり、私がミシンに関心を持った経緯をお話しいたします。私は後期で扱う姫路市の藤本仕立店の研究を長年続けてきました。その中でたった一枚の資料に遭遇し衝撃を受けました。この史料については次の記事を書いています。

さて、この資料とは藤本仕立店が所有していた1940年の段階での所有ミシン一覧でした。所有ミシンは40台にわたり、全てが米国シンガー社製でした。1940年の段階で日本経済は、それなりに19世紀の殖産興業段階を抜けて工業化に進んでいました。

確かに多くの面でその事実は確認できますが、当時の日本は、一部の生産財や経済制度ではまだまだ国産化が難しかったり立ち遅れていたりしており、欧米諸国の影響を受けています。19世紀ならばともかく20世紀のこのような資料に遭遇して私は驚いたわけです。

これを機に、ミシンの世界的な普及と日本への影響に2010年頃から関心を持ちはじました。数年間かけて調べ上げたものまとめたのが今回の授業であり、またテキストに指定した『ミシンと衣服の経済史』という著書でございます。

同志社大学今出川キャンパス、クラーク記念館。2019年4月11日撮影。

同志社大学今出川キャンパス、クラーク記念館。2019年4月11日撮影。

授業内容とミシン・インタビューとの関係

今期の授業第1回・第2回に代わる課題にて、クラス2の皆さんには、ミシンインタビューを書いていただきました。

インタビューの多くは現代日本のミシンが多かったです。とくにブラザーミシンとジャノメミシンが目立ちました。これに対し、授業で取り扱った時期は19世紀後半から20世紀前半です。

インタビュー時期と授業取扱時期がずれていて、内容が直結していない点でやや分かりにくい点もあったかと思います。ただ、現在も営業しているシンガーミシンについては19世紀からの歴史から一貫して繋がってくるのではないかと思います。

他方で国産ミシン、とくにブラザーミシンやジャノメミシンやJUKIミシンなどは授業でもテキストでも扱っておりません。日本でミシンの国産化が本格化していくのは1930年代に入ってからでございます。ですのでインタビューでジャノメやブラザーを取り上げた方にとって、授業内容とミシン・インタビューとかぶらない点があって、ややしっくりこなかったかもしれません。

それを埋めるために私は一つの論文を書いております。論文はウェブ非公開ですが、要約したページがこちらにあります。興味をもたれましたらご一読ください。

また、国産化遅延の別の要因を求めたページもあります。
https://sewingmachine.mobi/another-delay-factor-sewing-machine-domestic-production/

最後に

音声なしのパワーポイントと PDFを配布するだけの授業で、履修生方々には理解度に自信をもてない(悶々とする)状況を作ってしまったかもしれません。この点につきましてはDuetに掲示した私のメールアドレスに質問をいただければ、回答します。遠慮なく質問してください。

そんな不自由な状況のもと、授業の質問はあまりないのですが、嬉しいメールを二つ頂きました。

一つに、同志社大学に来た経緯が国公立大学の受験失敗によるものであり同志社大学への親近感が湧きにくいという悩みと、遊民ジャーナルの類似記事を読まれた感想を書いてくださいました。

二つに、最近人々が強いられてきたおうち時間の過ごし方について。どのような勉強をしたり資格試験を勉強したりといった話をまとめて私にお話ししてくださいました。

音声のない一方通行の授業にも関わらず、これらのメッセージを私に送っていただいたことを非常に嬉しく思います。対面授業でしたら、私が気さくであることをわかっていただけ、私の同志社ラブに満たされた授業を皆さんが味わうことをできたかと思いますが、人柄やキャラが見えにくいなかで、こういうメッセージをいただけるということは、コロナ感染拡大や自粛推奨のこの地味な生活が続くなかで私の癒しとなりました。

ご質問やご感想など、お気軽にお送りください。くれぐれも、大学のメールアドレスからの送信をお願いいたします。私のメールアドレスは先述どおりDuetにて記していますので、そちらをご覧ください。

それでは、短い間でしたが、前期のつたない私の授業にお付き合いいただきありがとうございました。後期に機会がございましたら、元気にお会いしましょう。

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