カラースプラッシュとは
写真加工でいうカラースプラッシュ(または単にスプラッシュ)とは一部を白黒に一部をカラーにすることです。よく見かけるのは、女性モデルの唇だけ赤く残して他は白黒やグレーにしている広告です。
こういう広告に見慣れているとスプラッシュ加工の良さが分からなかったのですが、いくつかの写真をスプラッシュして弄っていると、思いがけないものが浮かんできました。浮かぶというか、見落としていたものに注意できたということですが。
次の画像はカフェのテーブルにクリームソーダを置いて写した写真です。

カフェのテーブルにクリームソーダを置いて写した写真
クリームソーダの写真をカラースプラッシュ機能で加工すると
このクリームソーダの写真をカラースプラッシュ機能で加工するとどうなるでしょうか?
カメラとスプラッシュ加工のいずれも「huawei p30 LITE」を使いました。
まずは、ベタに緑色を狙ってソーダ部分だけ着色(残色)します。すると次のような画像になります。

クリームソーダの写真を加工する。ベタに緑色を狙ってソーダ部分だけ着色(残色)した画像。
次いで、クリーム部分の色だけ残します。すると次の画像になります。

クリームソーダの写真を加工する。クリーム部分だけ色を残した画像。
テーブルクロスのクリーム色の葉っぱが反応して黄葉の落葉のようになりました。
最後に、テーブルクロスの紅葉の色を残すと、正面の人物(妻)のチェックシャツの赤色部分が反応しました。

クリームソーダの写真を加工する。テーブルクロスの紅葉だけ色を残した画像。
カラースプラッシュ加工の面白さ
写真のカラースプラッシュ加工は、1枚の写真からいろんな見方が出てきて楽しいことがわかりました。
グレーなものを背景に探して、カラースプラッシュ風の写真をあえて写すという技もありますが、完全なグレーを探すのは難しいです。カラースプラッシュは極端化できるのが面白いですね。

グレーなものを背景に探して、カラースプラッシュ風にできあがった珍しい例。撮影後、紅葉の落葉が入っていることに気づいて少しラッキーでした。
全体を見るなんて嘘
そして、私たちはたった1枚の写真でも全てを見ているわけではないことも分かりました。1枚目に挙げた写真は、どれほどカラフルな情報や物の情報が露呈していても、結局は緑色のソーダとクリーム色のアイスクリームに目がいってしまいます。背景や英国風やカフェなどの抽象的な雰囲気として理解してしまいます。
人は全体を見ているようで、実は部分しか見ていないものです。
よく本を読む時に「行間を読みなさい」と指導されることがありますが、文章なら本文と行間の2種類だけ読めば良いわけです。しかし、画像となるとそんな簡単なものではありません。無数の情報を察知せずに、私たちはごく一部の情報を得ているにすぎません。映像となるともっと見落としがあるでしょう。かつてゴダールが「映像と言語」の関係について、言語は映像を捉まえられないと言ったことを思い出しました。
とにかく、カラースプラッシュ加工で画像を作ることは新しい作品を生み出すことに近い。以前はペイント加工(色鉛筆加工やクレヨン加工や水彩画加工など)を楽しみましたが、だいたいの画像は元写真の劣化版にしか見えません…。これからしばらくはスプラッシュで、新しい視覚に気づいていきたいと思います。
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